型枠工事
型枠工事はコンクリート工事で欠かせない作業
型枠工事は、コンクリートを使用する現場ではほぼ確実に必要となります。
コンクリートは液体の状態から型に流し込んで固めます。そのためコンクリートが必要な場面では「型枠」の存在は必要不可欠になるのです。
コンクリート建造物の建築現場は型枠大工がいなければ成り立たたないため、重要かつ必要不可欠な役割です。
型枠の種類
コンクリート工事はさまざまな場所で行われます。
一般住宅住宅や大型の建物の他にも、公園などの屋外施設で行うこともあり、型枠は工事のデザインや目的に合わせて製作します。
コンクリートと型枠の質感を最大限に活かす化粧打放型枠は「コンクリート打ち放し」と呼ばれる工事で使われ、デザイナーズマンションや個人宅など、モダンで美意識の高いデザイン向きです。
またシステム型枠と呼ばれるものは、さまざまな現場で転用することを可能にした型枠で、短期間での組み立てと製図のコストを省くことができます。
オブジェや曲線、複雑な造形が必要な場合には特殊形状の型枠を用意することもあります。
ひとことに型枠といっても、さまざまな用途に合わせたものがあり、奥が深いことが型枠工事の魅力です。
工事の流れ
Step1 拾い出し
拾い出しとは、必要なコンクリート工事の図面からどのような機材が必要かを洗い出す作業のことです。
実際の作業には多くの板材を用意する必要があり、板のサイズも計算しなければなりません。
型枠の作業は考えることから始まるのです。
Step2 型枠加工
拾い出しで分かった枚数と形状に合わせて、型枠となる板を加工していきます。
使用する板は、片面が滑らかに加工された合板です。
この滑らかな面をコンクリートと接する内側にして組み立てることで、コンクリートの滑らかな壁面を作ることができます。
角材と合板を組み合わせて、ほとんどの場合は現場に持ち運ぶための型を作業所であらかじめ作ります。
階段などの形状もこの段階で作ってから運搬するため、間違いが許されない作業です。
Step3 墨出しと建て込み
加工した型枠を現場に運搬し、コンクリートの流し込みが必要な場所に設置していく作業です。
ズレをなくすために、一度枠のみで現場に設置し、建てるべきところに線を引いていきます。
墨出しというこの作業は、ミリ単位での精密さが要求されます。
その後、釘で型枠を固定します。
コンクリートは密度が高いため、流し込んだときにかかる強い圧力に耐えられるようにしなければなりません。
型枠が壊れないようにチェーンなども使いしっかりと固定したら、コンクリートの型枠の準備は完了です。
関連資格
型枠工事をするにあたっては、さまざまな機材を使用し、運搬や施工を行うことになります。
玉掛けの特別教育やフォークリフトの運転、高所作業車の運転など、建築・土木工事の現場で必要な経験を型枠大工の立場でも積むことができます。
また、現場の責任者としての経験を積むことや、「型枠施工技能士」や「登録型枠基幹技能者」の資格の取得を通じてその道のプロになる道も開かれているため、自分の目標を持ってスキルアップしていける仕事でもあります。